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2018-05-28

「隙が無い」リヴァトンの高樹齢の最上位キュヴェは長い熟成を経て突出した個性と実力を備ています!

「欠点が無い」と聞くと、どこか小さくまとまった優等生なイメージで面白みに欠けるのではという気もしますが、かつてアルザスのブリュノ シュレールの傑作ワインで「ゼロ デフォ=欠点0」と名付けられたキュヴェがありましたが、こう造り手が高らかに宣言するのを聞くと、途端に圧倒的な説得力を感じるのは私だけしょうか。

もちろんシュレールのワインにせよリスクをとったギリギリの造りに挑戦しているものであって、醸造学的な欠陥がゼロであるのかはその道のプロフェッショナルな方の議論に拠る必要があるでしょうが、造り手本人が宣言した「ゼロ デフォ」には圧倒的な自信が感じられ、議論の余地が無い言葉に勝手に置き換えるとすれば「隙が無い」ワインと言えるのではないでしょうか。

例によって変な前ふりから始まりましたが、今回ご紹介するフレデリック リヴァトンの手がける上位キュヴェも個人的には「隙が無い」ワインとして位置づけされていて、飲むたびに彼のワインが備えているテンションの高さとスケールの大きさに圧倒されます。

そんなリヴァトンの真骨頂はやはりグリブイユ。単一の区画に植わる樹齢が80-110年のカリニャン、グルナッシュ、シラーを用い造られるキュヴェで、しっかりと熟成期間をとってリリースされるワインです。

そのグリブイユの弟分となるキュヴェがヴィエイユ ヴィーニュで、文字通り60-100年という高樹齢のカリニャン、グルナッシュ、シラーが用いられますが、こちらは複数区画のブドウをブレンドして造られるため、より親しみやすくマイルドなタッチが特徴です。

ということで今回ご紹介するのは、このグリブイユの2013年と収穫量が少なくグリブイユとヴィエイユ ヴィーニュをブレンドして造ることを迫られた2014年のワインであるヴィエイユ ブイユの2種類です!

● VDF ヴィエイユ ブイユ NV14
● VDF グリブイユ NV13

Vieilles Bouilles

ヴィエイユ ヴィーニュ + グリブイユ = ヴィエイユ ブイユとの事で、平年でもただでさえ少ない収穫量がさらに少なくなった2014年は、高樹齢の区画のブドウを全て混ぜることにしました。

例年のヴィエイユ ヴィーニュとグリブイユの対比では、奥行きや質感といった部分での差はあまりなく、輪郭がシャープなグリブイユと味わいが重層的でまろやかなヴィエイユ ヴィーニュという印象があります。

全ての区画を混ぜることで誕生したヴィエイユ ブイユは、その重層的な味わいにさらに複雑さが加わるということで、より膨らみと広がりのある味わいのバランスとなっています。紫系の果実の凝縮した旨味とスモーキーなフレーバーに加えて、色々な区画の個性が混じりあった結果のしなやかな果実味も印象的です。余韻にはほのかにコンフィのような甘さを感じ、柔らかい口当たりと相まってストレスなく飲み進めることができます。

このワインは、コンクリートタンクで発酵させた後、木樽で1年半ほど熟成、瓶詰めされてからもフランス・日本あわせてさらに2年ほど熟成されております。

樹齢が高く味わいの構成要素を多く備えたワインで、さらに暑く乾燥した気候の土地の赤ワインとなれば、熟成に時間をかければかけるほど豊かな表情を見せてくれるのは間違いなく、そこをしっかりと造り手サイドも理解して収穫量が少ない年であっても売り急がずにワインを育ててくれるのはとてもありがたいです。

リヴァトンのワインのもうひとつの魅力は、抜栓後の盤石な安定感です。抜栓後も数日にわたって不安定なニュアンスを見せること無く、長く楽しめるのも特徴。グラスワインにも最適です。

Gribouille

そしてリヴァトンの手がけるワインで最もハイテンションなのが、グリブイユ。今回はなんと2013年のリリースです。

収穫後に短い熟成を経て瓶詰め後すぐに販売する造り手が多いフランスにあって、造り手の手元で4年近く育ててからリリースされるワインは本当に稀有な存在。このことからも造り手の自信と意気込みが感じられます。

そのワインをさらに日本到着後も9ヶ月ほど休ませて、満を持してのリリースです!

単一区画のワインであるからか、とにかくグリブイユの特徴は味わいの輪郭がシャープなところです。膨大なミネラル感がよく熟した果実の風味に内包されており、塩っぽさや鉄っぽさを感じつつ膨大な旨味に圧倒されます。

「この地で素晴らしいワインが造れないなら、自分に才能は無い」

と言ったフレデリック リヴァトンですが、どんなに天候が良い年でも収穫量が著しく少ないという点を除けば、確かにこのグリブイユは、ブリュノ シュレールが宣言するところの「ゼロ デフォ(欠点0)=隙の無い」なワインだと思います。

誤解を恐れずに言えば、かつてのカゾ デ マイヨールカーゼ コリーニに通じる偉大な雰囲気を持ったワインで、フランスワインの中でも突出した個性と実力を備えたワインのひとつです。

こちらも抜栓後の安定感は抜群で、何日にも渡ってバランスを崩すこと無くその魅力を楽しむことができます。

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『2018年5月28日現在の在庫状況』 *記載のあるワインは在庫あり

● VDF ヴィエイユ ブイユ NV14
● VDF グリブイユ NV13

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