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2017-02-16

人にとっては過酷、しかしブドウにとっては最上の地でワイン造りに取り組むフレデリック リヴァトンのワインたち!

リヴァトン家の食卓で

ワインの造り手たちのもとを訪れ、彼らと語り合う時間というのは、特別な時間のひとつなのですが、その際に「ワインそのもの」の話は、実は意外と少なく、むしろ彼らから語られる言葉は、自然の偉大さであったり、その自然を消耗させている現代農業への懸念であったり、子供たちにその偉大な自然の恵みを残していきたいという持続可能性であったりと、時間軸としても、スケールとしても大きな目標がほとんどであったりします。

心震わせるような美味しいワインを造りたいという点は、もちろん多くの造り手の前提条件となりますが、それでいて、ただ単純に「美味しさ」だけを追求するということもありません。心震わせるワインが生まれる背景に想いを寄せ、その精微な自然のサイクルに敬意を払い、人間が介在することで、そのサイクルを維持し、広げていく。そのためのワイン造りであり、ブドウ栽培なのだと思います。そして、このポジティブなサイクルは、造り手だけで完結するものでなく、そうして生まれたワインを届け、紹介し、飲んでもらうといった一連の流れに関わる人すべてが、ワインという絆を通じてつながり、選択し、貢献できることなのだと思います。

と、例によって長い前置きからスタートしておりますが、今日ご紹介するのは、人にとっては過酷、しかしブドウにとっては最上の地でワイン造りに取り組むフレデリック リヴァトンのワインたちです。

フランスでもスペイン国境にほど近いルーション地方。なかでもリヴァトンの畑は、内陸の標高の高い丘陵地帯に位置しています。暑く乾燥した夏、照りつける太陽、時折吹く強い風など湿度を嫌うブドウにとっては病害も少なく、理想的な場所です。しかし人間にとっては、この地での畑仕事は、想像する以上に過酷です。

暑く乾燥した気候の中での畑仕事、どんなに豊作となっても収量は限定的で手間ばかりかかるブドウ栽培、同じくルーション地方の造り手であるアラン カステックスは、この地でのワイン造りに挑戦しようとするとある生産者にこう語りました。

「この地域でのワイン造り、畑仕事は途方もなく辛いものになる。これは避けられない事だから、せめて眺めの良い畑で働くことを選んだほうが良い。」

もともとフランスの大地は、日本のそれとは異なり作土(表土にある柔らかい土の層)が薄く、丘陵地帯などでは、薄い表土のすぐ下に岩盤がそのままあったりもします。表土に関しても、崩れて風化した岩盤によって生まれた土であったり、粘土であったりで形成されていて、湿潤な気候で火山灰土も多い日本との比較で言えば、肥沃さはかなり劣ります。

そんな環境のなかでも、流れた表土が肥沃さをもたらす平地や河川の周囲では、食料となる作物が栽培されてきましたが、限られた土の活力を枯渇させないためにも、放牧を組み合わせた輪作や休耕が伝統的に行われてきました。そして、十分な肥沃さが得られない環境でも育つブドウは、丘陵地帯の斜面などを中心に植樹され、栽培されてきました。

しかし現代では、化学肥料や除草剤などの使用が一般的になり、生産効率が劣るかつての伝統的な農法は顧みられなくなってきました。そして、毎年の収穫が得られる代わりに土地は疲弊を続け、生命を育むことのできない大地へと急速に劣化しています。そして、ブドウ栽培においても化学肥料や除草剤の使用が一般化し、ブドウ畑の砂漠化が着実に進行しています。

乾燥が厳しいルーション地方では、現代的な農法による土地の疲弊の進行は顕著で、リヴァトンが住む周辺のブドウ畑では、砂漠化し始めた畑が多く見られました。

その姿を横目に、過酷な環境にしっかり根ざした高い樹齢のブドウ樹とそれを育む大地を守るべく、日々奮闘しているのがフレデリック リヴァトンです。

彼は10haほどのブドウ畑の他に、3-4haほどの土地を管理しており、その場所では養蜂や羊の放牧なども行っています。これは、彼が採用するビオディナミに使用する材料を得る目的もありますが、それ以上に、自然環境を整え、それぞれの働きを調和させて、持続可能な農業を営んで行きたいという意思のあらわれでもあります。

ブドウ栽培だけをとってみても大変な労力を要するにもかかわらず、自然環境やその未来を見据えてその他の仕事まで手がけるリヴァトン。単なる「美味しさ」だけの追求でない強い信念が、彼のワイン造りの姿からは見て取れます。

ということで、今回リリースは、3種類!

○ VDF ベジョーヌ 白 NV15
◎ VDF ポワル ダン ラ マン ロゼ NV15
● VDF グリブイユ 赤 NV12

ベジョーヌは、マカブーとグルナッシュ ブランから造られる爽快な風味を備えた白ワイン。ルーションの白と言えば、質実剛健で力強い風味のワインを想像しますが、リヴァトンのそれは、柑橘やレモンを思わせるフレッシュなフレーバーと品の良い酸があり、シャープな飲み口が印象的なワイン。アペリティフにもスイスイ楽しめるようなスマートなスタイルのワインです。

ロゼのポワル ダン ラ マンは、ボルドータイプだった瓶の形状が、今回はブルゴーニュタイプに変更となりました。濁りと甘酸っぱい風味があった前ヴィンテージの2014年とは対照的に、野生のベリーやスグリを思わせる大人っぽい果実の風味に満ちた、ドライでキレのよい仕上がりのロゼ。

単一区画に混植で植わる樹齢80-110年のブドウのみで造られたリヴァトンのトップキュヴェであるグリブイユは、期待通りの説得力溢れる仕上がり。重厚で深みがありながら、スムーズな余韻が楽しめるこの雰囲気は、何人かの偉大な造り手のワインでしか味わえない風格。

さらに!これらリヴァトンのワインの嬉しい特徴は、抜栓後も非常にタフであること!上位キュヴェのブルグイユなどは、抜栓後1-2週間経過してからも揺るぐことのない力強い果実味を楽しませてくれます。

ぜひお試しくださいませ!

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『2017年2月16日現在の在庫状況』
☆ VDF パノラミック ロゼ ペティアン NV14 【僅少】
○ VDF ベジョーヌ 白 NV15
◎ VDF ポワル ダン ラ マン ロゼ NV15
● VDF トンべ デュ シエル NV14 【少量】
● VDF グリブイユ NV12

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