理想だけど過酷!ルーションの地で抜群の安定感と信頼感を誇るリヴァトンからロゼと白2種!!
暑くて乾燥した気候、表土の薄い岩盤質の土壌、樹齢の高い固有品種。こうしたブドウ造りに適したとされる環境が多く見られる土地が、フランスの南、ラングドック・ルーション地方です。
ところが、この地でワイン造りに苦労がないのであれば、もっと多くのスター生産者たちが登場していてしかるべきですが、現実はそうではありません。当然ながらこのような土地ならではの苦労というのがあります。
暑くて乾燥した気候、表土の薄い岩盤質の土壌、樹齢の高い固有品種という諸条件は、ワイン造りにおいて最も重要なブドウそのものの質という点においては理想的な条件です。しかしながら、量や経済性を考えた場合には、悲惨な条件とも言えます。
特に、新たに自然派ワイン造りに挑戦しようとする造り手たちにとっては、苦労が絶えません。畑を借りるなどしてワイン造りをスタートさせた場合、多くのケースでその畑は化学物質を使用して栽培されてきた畑となります。
その畑の状態を時間をかけて転換していくわけですが、雨が少ない気候というのはあまり植物が成長しないという事を意味し、ブドウ以外の草花などの繁殖も制限されます。そのため、植物が育ち、朽ちていくサイクルを通じて自然環境に供給される有機物の量が少なくなり、微生物叢の発達のスピードも遅くなります。病害の発生が少ないというメリットのある暑くて乾燥した気候は、反面、農薬や化学肥料が多用され砂漠のようになった畑を豊かな生態系に戻すのに途方も無い時間を要するということを意味します。
同様に表土の薄い岩盤質の(養分が少ない)土壌というのも、植物の生育を制限しますから、自然のサイクルで供給される有機物は少なくなり、化学物質によって破壊された植物の生態系や微生物叢が回復するまでに時間がかかります。当然ながら保水力や保肥力も少なく、とあるタイミングで突如として自然な栽培方法に転換されたブドウにとっても過酷な環境です。
樹齢の高いブドウ樹というのも、収量の少なさや将来の植え替えのコスト、以前の手入れが粗悪だった場合の回復の難しさなど、多くの困難の原因となります。
こうした諸々を鑑みると、南の地でのある種理想的な環境でのワイン造りというのは、自身一代で完成するものでなく、先人が健全性を守ってきた畑を引き継ぐか、自身が次世代のために遺すかという長い時間軸の上に立って取り組んではじめて成立する営みなのです。
さて、本日ご紹介するのは、その理想的であり、困難でもある産地で、キャリア13年を誇る中堅の造り手となったフレデリック リヴァトンです。
フレデリック リヴァトンの畑は、経済性こそ良くありませんが、高樹齢の区画からカジュアルなワインを産する区画までバランス良く手入れが行き届いており、圧倒的なまでの説得力を誇るグリブイユもあれば、ピュアで実直な旨味のロゼや白ワインも魅力的です。
「この土地で素晴らしいワインが造れないなら、自分に才能はない」
と不退転の決意で、ルーション地方を選んだリヴァトン。ただ理想的なブドウ畑と言っても、この地での畑仕事は過酷を極めます。暑く乾燥した気候の中での畑仕事、どんなに豊作となっても収量は限定的で手間ばかりかかるブドウ栽培、同じくルーション地方の造り手であるアラン カステックスは、この地でのワイン造りに挑戦しようとするとある生産者にこう語りました。
「この地域でのワイン造り、畑仕事は途方もなく辛いものになる。これは避けられない事だから、せめて眺めの良い畑で働くことを選んだほうが良い。」
まさに、フレデリック リヴァトンが栽培を手がける畑からもフランスとスペインの国境を形作っている雄大なピレネー山脈を望むことができます。その自然の発する膨大なエネルギーを一身に受けて、過酷な畑仕事を物ともせずに1本1本に想いを込めていきます。
ということで今回ご紹介は、ロゼと白ワイン2種!
○ べジョーヌ 白 NV16
○ ブラン ベック 白 2013【輸入元完売】
◎ ポワル ダン ラ マン ロゼ NV16
マカブーやグルナッシュ ブランから造られる白ワインのべジョーヌは、南らしい密度ある果実味にレモンや柑橘を想わせる爽快な風味が特徴だった前年のNV15と打って代わり、さながらマセラシオン(醸し)をしたようなスモーキーで香ばしいフレーバー。相変わらずのレモンっぽさはあるものの、ベースとなるのは充実した旨味です。外観もクリアだった前年と違い、濁りが多く見られ、飲み応えたっぷりのワインに仕上がっています。
もうひとつの白ワインであるブラン ベックは、樹齢60年から100年という古木のマカブー、カリニャン ブラン、グルナッシュ グリで造られるワイン。シスト(スレート状の片岩)土壌の区画から生み出されるこのワインは、香りにはスモーキーなニュアンスがありつつも、ひとたび口に含むと膨大なミネラル感が広がり、(植物的には)過酷な環境にしっかり根ざしたブドウの凝縮感を感じます。白ワインとは言え、高いポテンシャルを感じるこのワインのみ、日本入荷後も2年半以上熟成させてからのリリースです!
リヴァトンで毎年人気のポワル ダン ラ マン ロゼも今年も絶好調!バラの花のような華やかで艶やかな芳香が感じられ、さながら香水のような魅惑的なフレーバーです。若干のガスを感じつつ、引き締まったボディのスマートでドライな果実味とチャーミングな酸味のバランスが心地よく、スイスイと飲み進めていける爽快さがあります。
以上の3アイテムです!今回リリースのワインたち、こんなにご機嫌なバランスなんですが、惜しむらくは十分な数量を確保できなかったこと…ということで、気になる方はお早めにご検討くださいませ!
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『2018年1月19日現在の在庫状況』 *記載のあるワインは在庫あり
○ べジョーヌ 白 NV16 【在庫少】
○ ブラン ベック 白 2013 【輸入元完売】
◎ ポワル ダン ラ マン ロゼ NV16