ジェローム ジュレ 渾身のサンスフル貴腐ワイン3種が初リリース!加えていつもラインナップの白2種赤1種もとても良い状態でリリースです!
当社でアルデッシュを代表する造り手と言えば、なんといってもジェローム ジュレ!
この地域の大ベテラン、ジル アゾーニやマゼルのジェラール ウストリックに影響を受け、2006年に自家瓶詰めをスタート。当初は、自然派ワインと一般的な醸造法のワインの2タイプを造るところからスタートしましたが、手応えを感じた2年目から一気に自然派ワインの比率を高め、現在は押しも押されもせぬアルデッシュのエースに。
ジェローム ジュレのワインは、抜群の安定感と素朴ながらも深い旨味が魅力で、いわゆる「危うさ」感じさせません。その理由を「丁寧に造って…」と一言で片付けてしまうのは簡単なのですが、人間が介入する余地が少ない自然派ワイン造りにおいては、ワインを安定させようとしたり、コントロールしようと思ったとしても、造り手たちができる事は思いのほか少ないのが現実です。
そのため、多くの造り手が、「収穫したブドウの健全性が、ワインの品質のほぼ全てである。」と口をそろえます。
しかしながら、ブドウの健全さを左右する気候も人間がコントロールできるわけではなく、畑における仕事は、大いなる不確実性のなかで自分たちがブドウのためにできることをひとつひとつ積み重ねて行くしかありません。そして、どんなに丁寧な仕事を重ねたとしても、一瞬の雹(ひょう)によって収穫量の大部分を失うような年もあり、そんな自然の気まぐれにあらがうこともできず、その日からのベストを目指してまた仕事を重ねて行くしかないのです。
そして、ジェローム ジュレの仕事ぶりを見たり聞いたりする中で、やはり彼が特別だなと思うのが、その屈強な精神力と体力。
かつて修道士がブドウとオリーブの畑にしていたという丘があるのですが、その場所をジェロームが再び整備するまでは打ち捨てられた荒れ地となっていました。
それもそのはず、丘の上の斜面にあるこれらの畑は、トラクターで向かうにも何時間もかかり、整地から植樹、杭などの整備など資材を持って往復するだけでも一日仕事です。また、野生動物も多く生育しており、ブドウの実を食い荒らされないように防護する設備の整備まで考えると途方も無い時間を要します。
よくここを再び畑にしようと思ったな…と思わずに入られない膨大な仕事量です。
そんな心配をよそにジェロームは、
「穏やかな丘陵地帯であるこのあたりで、この畑は標高も少し高いし、ブドウにとっては良い条件だと思ったんだよね。」
とさらりと言いのけてしまうのです。
「仕事は大変だけど、この場所でしか得られないものがあるからね。」
生まれ育った土地の風土をワインを通じて表現することを喜びと感じているジェローム ジュレ。彼にとっては、過酷な仕事もより大きな喜びのひとつでしかないようです。
さて、そんなジェローム ジュレが手がけるワインたち。またまた新しいキュヴェをリリース致します!
今回の注目はなんといっても初リリースとなるデザートワインたち!このワインで用いられているヴィオニエには、先ほどの丘の上の畑で収穫されたものが含まれます。瓶詰め時の亜硫酸も添加せずに造られたこのデザートワインたちは、ゆっくりと時間をかけて発酵を待ち、さらに長期の熟成を経て瓶詰めされました。
過度の人為的な介入を避ける自然派ワイン造りにおいて、デザートワインは非常にリスクが高いタイプのワイン。そのリスクと困難を膨大な仕事の積み重ねで克服したジェローム ジュレ。本当に特別なワインだと思います。
誤解を恐れずに言うならば、ラ ビアンカーラのレチョート 2003に通じる雰囲気のあるワインと言えば、このワインたちのイメージの片鱗をお伝えできるのではと思います。
ということで、今回リリースするデザートワインは下記の3種類!
◇ VDF サン ジロー パッスリーユ オートン <750ml> 2006(ヴィオニエ)
◇ VDF サン ジロー パッスリーユ <750ml> 2008(ヴィオニエ)
◇ VDF サン ジロー パッスリーユ ボトリティゼ <750ml> 2008(ヴィオニエ)
サン ジロー パッスリーユ オートン 2006 は、秋が深まるタイミングまで収穫を待ち、貴腐菌の働きによって水分が奪われたブドウを収穫。さらにそのブドウを干すことでより乾燥させて造られる極甘口の貴腐ワイン。
このヴィンテージに関しては、アルコール度数が15.5%あり、本来備わっていたであろう糖分はかなりアルコールに変化していて、甘口とはいえドライシェリーのようなニュアンスが出てきています。亜硫酸無添加ということもあり、多少の揮発酸は感じられますが、それが味わいを引き締めている印象もあり、しっかりと削げた焦点の定まった甘口ワインとなっています。
サン ジロー パッスリーユ 2008 は、貴腐ブドウの割合を50%程度にして仕込んだ甘口ワイン。こちらも収穫したブドウを干すことで、さらに糖度を凝縮させ極甘口のワインに仕上げています。
アルコール度数は12%で、砂糖菓子のような香ばしい風味に凝縮した果実味と甘味があり、いきいきとした雰囲気も感じられる素直な飲み口のデザートワイン。余韻もスムーズで、果実本来のフレッシュなフレーバーもほのかに感じられるバランス。
サン ジロー パッスリーユ ボトリティゼ 2008 は、貴腐ブドウ100%のデザートワインで、こちらも収穫したブドウをさらに干すことで、さらに糖度を凝縮させたワイン。
アルコール度数10.5%とやや控えめで、その分糖度が多く残っおりしっかりとした甘味があります。キャラメルのような濃密さとミルキーさの混じった香ばしい風味が特徴で、なめらかな口当たりと凝縮した旨味がつまった力強いワイン。
甘口ワインだけではありません!純朴で懐深い味わいが魅力の通常ラインナップの白2種類と赤1種類もリリース。
○ VDF リヴレ 2014(ユニ ブラン)
○ VDF ラ シャッス オー パピヨン 2014(ソーヴィニヨン ブラン)
● VDF パ ザ パ 2015(カリニャン、アリカンテ)
本来は香りにも味わいにも個性に乏しいとされるユニ ブランを用いたリヴレは、抜栓直後は若干の還元香がありますが、スワリングによってすぐに消えて、野の草や花を思わせるような清らかな香りが感じられるようになります。複雑な味わいというわけではありませんが、旨味のかたまりのような味わいで、清涼感があるなかでも飲み応えのあるバランスになっています。品種に抱くイメージやハンデを優に超えてくる驚くべきポテンシャルを備えたワインで、抜栓後も長く楽しめそうな雰囲気です。
ラ シャッス オー パピヨンは、蜜を思わせるような甘い香りにフレッシュなハーブや野草のニュアンスが加わり、こちらも爽快感溢れるワイン。ぎゅっとつまった果実味と穏やかながらも品の良い酸味、みずみずしさ溢れる果実味と全体的にまとまっていて、飲み心地も抜群です。ポテンシャル的にもこれからどんどんと多彩な表情を見せてくれそうな雰囲気も備えており、時間をかけて楽しむのも良さそうです。
パ ザ パ 2015は、ここ数年のひっかかりの全くないスムーズで妖艶な飲み心地はそのままに、優良年となった2015年の特徴をしっかり備えていて、クロスグリのジャムのようなコクのある風味と、きめ細やかなタンニン分、なめらかな飲み心地が印象的です。少女のような可憐さのあった前ヴィンテージと比較すると円熟した大人っぽさがあり、今後も様々な色気ある表情を見せてくれそうです。
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『2016年12月2日現在の在庫状況』
◇ サン ジロー パッスリーユ オートン 2006 【僅少】
◇ サン ジロー パッスリーユ 2008 【輸入元完売】
◇ サン ジロー パッスリーユ ボトリティゼ 2008 【輸入元完売】
○ リヴレ 2014 【僅少】
○ ラ シャッス オー パピヨン 2014 【輸入元完売】
● パ ザ パ 2015 【僅少】