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2018-07-12

真摯な努力の積み重ねの点では頭を抱えるほど突き抜けているジェローム ジュレ!

2016年、2017年と広範囲にわたって例年では見られない(にも関わらず近年は頻発している)異常な悪天候の影響で収穫量を失う造り手が続出しております。

素朴ながらも美しい風味のワインを安定的に手がけるジェローム ジュレもその例に漏れずに2017年は大幅に収穫量を失いました。

デビューヴィンテージ以来の付き合いということもあって優遇されていた日本向けの割当も、じわじわと数量が少なくなってきました。

その一方で、品質に関しては相も変わらずの抜群の安定感と奥深さがあり、とことんナチュラルな造りでありながらもほっと安心できる味わいが魅力です。

そんなジェローム ジュレがワイン造りに取組むのはコート デュ ローヌ地方 アルデッシュ地区。アルデッシュのなかでもワイン産地としては格下とされる場所で、コツコツとした努力の積み重ねでクリーンで、素朴で、奥深いワインを造っています。

このジェローム ジュレの近隣には、ジル アゾーニ(現在はアントンナン アゾーニ)、オジル、マゼルなど個人的にも大好きな造り手がひしめいています。格下のテロワールと見られているこの土地で、それぞれの造り手が表現力豊かなワインを次々と生み出している姿をみると、人間の真摯な仕事がワインに反映された時の素晴らしさに心打たれます。

そして真摯な努力の積み重ねという点においては、頭を抱えたくなるほど突き抜けているのがジェローム ジュレ。

何百年も放置され荒れ果てていた山上の畑の開墾やそこまでの道の整備
プロ顔負けのデザインと構造を誇る醸造所の建築
完璧な温度管理が可能な洞窟セラー(熟成庫)の建築
整枝のための木杭を山の樹から切り出す作業

など全てをほぼ自分一人でやり遂げ、ワインの品質向上に資することは全てやりきります。

まさに改善に次ぐ改善でワインを磨き上げ、テロワールの限界を超越した心震わされるワインを生み出しています。

ということで、今回リリースは下記の4種類!

○ VDF リヴレ 2016
○ VDF レ フルール ソヴァージュ 2015
● VDF ラクロッシェ クゥール 2016
◇ VDF サン ジロー パッスリーユ(極甘口・750ml) 2008

無個性とされるユニ ブランから、しっとりと落ち着いた旨味と野花のような優しい香りを引き出したリヴレ。抜栓直後には若干の還元香がありますが、グラスに移して数回のスワリングですぐに消えていきます。爽快な果実味とグレープフルーツやその果皮の白い部分を想わせる風味があり、バランスの良い仕上がり。ワインとしても安定していて、抜栓後も長くお楽しみ頂けます。

レ フルール ソヴァージュはヴィオニエで造られるキュヴェ。トーストのような香ばしさと白い花や杏のような香りが共存し、暑く乾燥した2015年らしいスモーキーさや厚みのある果実味もありますが、それでいて軽快な余韻のバランスが印象的なワイン。若干のガスが残っているのもあって、時間の経過と共に徐々に開いてくるイメージで、デキャンタージュやじっくりグラスで育てるなど抜栓後も長く楽しめます。

メルロとシラーのブレンドで造られるラクロッシェ クゥールは、用いられている品種のイメージから力強い味わいなのかと思いきや、そこは流石のジェローム ジュレ、しなやかな果実味と柔らかい口当たりが感じられる優しさと気品に満ちたワインとなっています。グラスに注ぐと、すーっと伸びるような赤系果実とハーブの香りがあり、凛とした御香のようなニュアンスも感じられます。奥行きのある旨味や長い余韻も楽しめ、艷やかで女性的なスタイルのワインだと言えます。ワインとしても安定していて、抜栓後も長くお楽しみ頂けます。

そして、そして、ジェローム ジュレの渾身の超大作が、サンスフル(瓶詰め時の亜硫酸無添加)で造られる極甘口のキュヴェ、サン ジロー パッスリーユです。

秋が深まるタイミングまで収穫を待ったヴィオニエをさらに貴腐菌の働きによって水分が奪われた状態まで持っていき収穫。さらにそのブドウを干すことでより乾燥させて水分を減らし糖度を凝縮させていきます。こうして得られた高い糖度のブドウと通常のタイミングのブドウを50%づつ用いて造られる極甘口の貴腐ワインが、このサン ジロー パッスリーユです。

ここまで糖度が高いと自然酵母による発酵にもおのずと時間がかかります。樽の中で何年もかけて発酵を続け、さらに長期の熟成を経て瓶詰めされるこのワインは、瓶詰め時の亜硫酸を使用していないということもあり、多少の揮発酸は感じられますが、それが味わいを引き締めている印象もあり、また、その揮発酸のニュアンスを覆い尽くすほどの膨大な旨味を備えた焦点の定まった甘口ワインとなっています。

誤解を恐れずに言うならば、個人的に思う甘口ワインの傑作のひとつ、ラ ビアンカーラのレチョート 2003に通じる雰囲気のあるワインと言えば、このワインたちのイメージの片鱗をお伝えできるのではと思います。

ぜひぜひお試しくださいませ!

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『2018年7月12日現在の在庫状況』

○ リヴレ 2016 【輸入元完売】
○ レ フルール ソヴァージュ 2015 【輸入元完売】
● ラクロッシェ クゥール 2016 【輸入元完売】
◇ サン ジロー パッスリーユ(極甘口・750ml) 2008 【輸入元完売】

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