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2017-12-08

リュペール ルロワの新たな挑戦!2013年は全キュヴェ サン スフル!

エマニュエル ルロワ

ブランド力のお陰で、普通にやれば普通(よりもやや豊かに)暮らしていける。そんなワイン産地があります。

アレクサンドル バンが闘うプイィ フュメしかり、トマ ピコが未来を憂うシャブリしかり、もちろんブルゴーニュなどの銘醸地もそうです。そして、今回の舞台となるシャンパーニュも圧倒的な知名度で、富をもたらす産地のひとつです。

そんな普通(といってもこの場合は、持続可能性は考慮せずに除草剤や化学肥料などを使用する農法)を潔しとせずに、大きなリスクを取ってより純粋なシャンパーニュを造ろうと挑戦するタフな二人がいます。

それが、ベネディクト リュペールエマニュエル ルロワの二人の姓を冠したメゾン、リュペール ルロワです。

タフな…と二人を評しましたが、この言葉は本当に彼女たちの仕事ぶりや姿勢を表しています。

冷涼な気候のシャンパーニュにおけるビオロジックやビオディナミを取り入れた栽培、テロワールの表現を求めて区画ごとに分けての収穫・醸造、単一ヴィンテージのブドウのみでの醸造(ただし熟成期間の関係でヴィンテージ表記はありません)、原酒となるワインにおいては、自然酵母のみでの発酵とサン スフル(ワインへの亜硫酸の無添加)による醸造、さらには瓶内二次発酵後もサン スフルで瓶詰めし、当然ながらドサージュはゼロ、といった非常にリスクの高い=恐怖を感じるワイン造りをその強靭な精神力で御して、とことんまで土地の純粋性を追求しています。

「私は父から、羊飼いとしてのまた開拓者としての好奇心と挑戦の精神を引き継ぎました。私の家族で受け継がれるこの価値観があったからこそ、自然で純粋なシャンパーニュに挑戦できたのです。」

そう話すベネディクトは、既存のシャンパーニュの常識や権威に臆することなく、彼女なりの真実を追い求め、日々畑に立ちます。

「もっとも幸せな瞬間は、早朝5時に父が30年前に植樹した畑に立ち、静寂の中でブドウと向きあう時間です。ここには私の家族の全てがあるのです。」

ベネディクトの瞳は、屈強な遺志と不屈の精神で輝いています。

一方、ベネディクトと共に暮らすようになり、ワイン造りを担うことになったエマニュエルも強靭な精神力を備えています。そのルーツには、学生の頃から取り組んでいた競技カヤックでの経験があるといいます。彼が育った環境では、決してポピュラーではなかったという競技カヤック。指導者も経験者もほとんどいないなか、自分自身のみを頼りにトレーニングを積み重ね、本格的な大会に出場を果たすまでになりました。

この二人の精神力の強さがあったからこそ、大きな権威のなかで純粋さの表現が阻まれるシャンパーニュという土地で、シャンパーニュの真価を追い求めることができているのだと思います。

そんな彼女たちが歩みを進める上で、原体験となった出来事がありました。知人のシャンパーニュ生産者から「自然な」ワイン造りを志すならとジュラのピエール オヴェルノワの訪問を勧められたのです。オヴェルノワと言えばフランス自然派ワインの世界で、その礎を築いた伝説的な生産者として知られる人物なのですが、なんとベネディクトたちはその名前も存在も知らず、ただ勧められるがままに彼のもとを訪ねました。その突然の訪問客に対して、ピエールは多くの時間を割き、彼のワイン造りの哲学やテロワールの魅了をどうボトルに封じ込めるのかを熱っぽく語ってくれたといいます。

「あの伝説のオヴェルノワを知らずに訪ねたなんて、今となっては笑い話でしかないのですが。もし彼の事を知っていたら、あんな風に気軽に訪ねる事はできなかったかもしれませんね。」

これを機会に、ベネディクトたちは、オヴェルノワをワイン造りの父として敬い、シャンパーニュという土地での真実のワイン造りという大いなる挑戦がはじまります。実は彼女たちは、もうひとつの幸運にも恵まれます。ワイン造りの精神的支えがオヴェルノワであるとしたら、実質的な支えとなった人物がいました。それは、彼女たちが居を構えるエッソワ村からわずか15kmほどという距離にあるビュキシエール シュール アルス村に居を構えるベルトラン ゴトロ(ヴェット エ ソルベ)その人です。物理的な距離も志も近いベルトランからも多くのインスピレーションとサポートを得て、ベネディクトたちは理想のワイン造りに突き進みます。

そんな彼女たちの初ヴィンテージは2010年ですが、11年、12年と経験を重ね、常に前へ前へと挑戦を続けてきました。前ヴィンテージでは、「もう一つの」と名付けられたフォッス グリュリー オートルモンでサン スフル(瓶詰め時亜硫酸無添加)を挑戦し、手応えを得た彼女たちは、今回リリースの(11,12,13…を除く)2013年の全てのキュヴェで、サン スフルでのワイン造りに取り組んでいます。

ということで、一歩一歩着実に理想を実現していくリュペール ルロワ。その成長の成果をぜひ皆様に体験して頂きたいです。

☆ シャンパーニュ 11,12,13… NV →【在庫少】
☆ シャンパーニュ フォッス グリュリー NV13 →【輸入元完売】
☆ シャンパーニュ レ コニョー NV13 →【輸入元完売】
☆ シャンパーニュ マルタン フォンテーヌ NV13 →【在庫少】

11,12,13… という意味深な名前のこのキュヴェは、文字通り2011年、2012年、2013年のワインをソレラ方式のようにステンレスタンクに注ぎ足しつつ熟成させていた原酒から造られたシャンパーニュです。区画ごとに醸造・瓶詰めするリュペール ルロワにあって、例外なくに全ての区画がブレンドされるキュヴェとなり、シャルドネとピノノワールがブレンドされたシャンパーニュとなります。

区画やヴィンテージの純粋性を追求したその他のワインに対し、リュペール ルロワの歴史とも言うべき各ヴィンテージや区画の表現を内包したシャンパーニュ。硬質なミネラル感とクリアな酸、しなやかな果実味を備え、重層的な味わいの表現が感じられるバランスです。

赤粘土主体の粘土石灰質土壌の区画に植わるピノノワールとシャルドネをブレンドして造られたキュヴェであるフォッス グリュリーは、豊かな旨味と香ばしさを硬質なミネラル感が支え、のびのびとした表現の高い満足度の飲み心地です。余韻に残る柑橘のニュアンスが、品の良さとチャーミングさを感じさせてくれ、全体のバランスを引き締めてくれます。

灰色をした粘土が主体の粘土石灰質土壌の区画に植わるピノノワール 100%で造られるレ コニョーは、そのゴールドの色調に相応しい華やかで艶やかな風味が特徴。金木犀などの花を思わせる芳香と深い旨味、硬質なミネラル感が印象的です。

白い石灰質主体の粘土石灰質土壌の区画に植わるシャルドネ 100%で造られるマルタン フォンテーヌは、各キュヴェの中で最も清楚な雰囲気。栗やナッツの香ばしさもありますが、レモンや他の柑橘の果皮の風味があり、まっすぐに向かってくるような実直で力強いミネラル感が特徴です。

どのキュヴェも日本に入荷後1年3ヶ月ほど休ませてからのリリースで、コンディションも良く、落ち着いた表情を見せてくれています。ポテンシャル的にはさらなる熟成も楽しみですので、ぜひお手元でも熟成させてお楽しみ頂きたいと思います。

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『2017年12月8日現在の在庫状況』 *記載のあるワインは在庫あり

☆ シャンパーニュ 11,12,13… NV【在庫少】
☆ シャンパーニュ フォッス グリュリー NV13【輸入元完売】
☆ シャンパーニュ レ コニョー NV13【輸入元完売】
☆ シャンパーニュ マルタン フォンテーヌ NV13【在庫少】

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