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2016-11-14

2015年のモルゴン!09年に通じるポテンシャルはラピエールのあらたな規範となりうるヴィンテージです!

Mathieu Lapierre

自然派ワインに携わる多くの人々に愛され、その愛に等しく報いていた故マルセル ラピエール。その人柄が、現在の自然派ワインシーンの発展に大きく寄与した事は間違いありません。

ひと昔前のボジョレーと言えば、お世辞にも期待されるワイン産地ではありませんでした。マルセル自身も「試飲会でバイヤーたちがボジョレーと聞いただけで飲まずに逃げる。」と話していたほど困難な販売環境で、飲んですらもらえないというある意味マイナスからのスタートでした。

そんな中、コスト削減を重視した効率化や工業化を推し進める周りの生産者たちを横目に見ながら、マルセルは、自身の祖父の時代のワイン造りをベースに、現代の自然派ワイン造りの基礎を固めていきました。

そして、その経験を惜しみなく地域の仲間や志を同じくする造り手たちに伝えていったのです。結果として残ったのは、巨大資本に支配されたワイン工業と彼ら自然派ワインの造り手たちでした。

この惜しみなく分け与える精神が、ひとりの偉大なワインの造り手としてだけでなく、自然派ワインの父と呼ばれ、多くの人の尊敬と愛を受けるようになったのです。

自然派ワインを語る上でもう一人の始祖と言えるのが、ジュラのピエール オヴェルノワ。

実はピエール オヴェルノワが、マルセル ラピエールと同じように多くの人からの敬意を集めているのも、マルセルの姿勢と通底する「惜しみなく分け与える」という精神からです。

ピエールはこの哲学を「ペリカンの精神」と呼びました。

ピエール オヴェルノワのワインのエチケット(ラベル)をよく見てみるとペリカンのモチーフが描かれています。このペリカンのモチーフは、「ペリカンは、自らの身体を引き裂いてでも子供たちに血と肉を分ける。」という伝説に由来するといいます。

「私たちは常にペリカンの精神を忘れてはならないのだ」

そうピエールは話してくれました。

この二人の偉大な造り手たちの「分け与える精神」が、現在のフランス自然派ワインシーンの開花を導きました。

そして時代は移り変わります。

現在、ドメーヌ マルセル ラピエールで、その正統性をしっかりと継承しているのが、マルセルの長男マチュー ラピエールです。

まだ若かったマチュー ラピエールがドメーヌに戻り、父とワイン造りを共にした期間はわずか5年ほど。決して経験豊富というわけでもなかった彼でしたが、マルセル ラピエールの継承という誰しもがプレッシャーを感じる仕事を実に見事に成し遂げています。

温和なマルセルに対して、相当な「キレ者」という印象のマチュー ラピエール。父の死後もワイン造りはブレることなく、むしろ急速に進化を続けています。

さて、ここからが本題です。

マチュー ラピエールの進化、そのひとつの結晶を感じて頂けるのではと思うワインが届きました。

それは、モルゴン 2015

Morgon
※画像は旧ヴィンテージのものです。

マルセルとの最後の共作となった2009年以来、「しなやかさ」や「繊細さ」で語られる「フィネス」溢れるヴィンテージが続いていましたが、今回の2015年からはマルセルが生涯で最高の年のひとつと語った2009年に通じる「風格」が感じられるのです。

厚みのある果実味、その奥に隠れた極上のガメイの華やかさ。加えて、モルゴンという土地、ガメイという品種と真剣に向き合ったであろうマチュー ラピエールが引き出した「フィネス」。

ここ数年のラピエールのワインに共通して感じられるこのフィネスを凝縮感のある液体からしっかりと感じられる点が、このモルゴン 2015がラピエール家の新たな規範となりうると感じさせてくれます。

もちろん今の時点では、まだまだ表情は固い状態です。かと言って飲みづらいほどマッチョなワインというはずもなく、この現在の姿から少しずつ、何年もかけて成長していく様をぜひ多くの方に体験して頂きたいと思います。

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『2016年11月14日現在の在庫状況』
● モルゴン 2015 【潤沢】

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