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2018-01-31

帰って来たトマ ルアネ!4年ぶりのリリースとなるボンバディロンは暑さの中に涼しさを感じる気品溢れる1本です!

トマ ルアネ、彼のことを覚えていらっしゃる方はおりますでしょうか。

南フランス ラングドック地方、灼熱のサン シニアンの地で、2012年にデビューした志高き若き造り手です。

この地のテロワールからは、いわゆるグルグル(薄旨)ワインは造れないからと、この地域らしい凝縮感のある力強いスタイルのワインを踏襲しつつ、それでいてフレッシュでしなやかさを感じる繊細なバランスのワインをデビューヴィンテージから生み出し、多くの人を驚かせてくれました。

複雑なスパイスの風味を備えた凝縮した果実味とシルクのようなしなやかなタンニン分、余韻に明るさを感じるフレッシュなフレーバーという緻密で実直な味わいは、彼の人柄をピュアに表現しているように感じられ、過酷な仕事をものともしない強靭な心身を持ちながら、その人柄は柔らかく、どちらかといえば寡黙で心優しい好青年というトマ ルアネならではの味わいとなっています。

そんなトマ ルアネのワインですが、デビュー ヴィンテージの2012年以来、ずっとご紹介することができませんでした。

実は、2013年以降も入荷はしていたのですが、日本到着後、どのヴィンテージも深い還元状態に陥っていて、ワインがスタートラインに立つまでに相当な時間を要するものばかりでした。2013年、2014年のワインたちは、引き続き熟成をさせている段階ではありますが、ここにきて、昨年入荷してきました2015年が、先の2ヴィンテージを追い越して、良い状態になってきました。ということで、本当に久しぶりのご紹介となるのは、2015年ヴィンテージとなります。

トマ ルアネってどんな造り手?

さて、およそ4年ぶりのご紹介となりますトマ ルアネ。簡単に造り手のバックグラウンドをおさらいします。

2010年に同じくサン シニアンのヤニック ペルティエに出会い、彼のもとで働きながら自身のワイン造りをスタート。トマの祖父は、地域のブドウ栽培農家で、1991年からビオロジックで栽培していたと言い、その祖父の畑を引き継いだトマ ルアネにとっては、自然派ワイン造りは必然だったと言います。

とにかく暑く乾燥したこの土地では、ワイン造りは畑での土作りに帰結すると語ります。植物にとって適切な環境を整えてあげることができれば、その過酷な条件の下でもブドウがしっかりと大地から水分とエネルギーを吸い上げ、品格と清涼感をワインにもたらしてくれます。

しかし、降水量が少ないこの地域では、土作りと言っても途方も無い時間と忍耐が必要となります。土壌に有機物を供給し、微生物叢を豊かにするためには自生する様々な植物が育ち、朽ちていくプロセスが有効なのですが、乾燥した気候は、こういう植物の循環スピードも制限するため、なかなか思うようには進みません。

トマ ルアネにとって幸運だったのは、祖父の代から続けられているというビオロジック栽培によって、この耐える時間の長さを世代間で分け合うことができ、そのおかげで、初ヴィンテージからしなやかな質感とイキイキとした果実味を備えたバランスの良いワインを生み出すことができました。

そして、その土の進化を止めることなく、ゆっくりゆっくりと進んでいく循環のプロセスを見守り、育んで行くことで、さらに多様な表現力を有したワインを生み出すことができるようになります。

この気が遠くなるようなプロセスをごく真面目に取り組み、進めていけるトマ ルアネの実直さは、ワインの味わいにしっかりと反映されており、彼の人柄を多くの人に感じて頂けると思います。

● VDF ボンバディロン 2015

画像は旧ヴィンテージ *現行はVDF表記

ということでワインのご紹介です!

文学作品や詩に登場する神秘的な力を備えた自然の神や森の主のような存在が、キュヴェ目名の由来であるというボンバディロン。樹齢70年ほどのカリニャンと樹齢40年ほどのグルナッシュを用いて造られるこのワインは、力強いタイプが生まれるとされるサン シニアンの地にあって、徹底的にフレシュさとしやかさの表現にこだわったワインです。

2015年は、抜栓直後にこそ若干の還元香がありますが、数回のスワリングで飛ぶレベルで、現時点で十分楽しんで頂ける状態。黒系果実の凝縮した香りと果実味が感じられますが、どこか涼やかな印象もあり、みずみずしくしなやかな口当たり。「土の中の涼しさ」を意識して畑仕事をしているというトマの言葉通り、その涼しさがワインからもしっかりと感じられます。

余韻に若干の揮発酸を感じますが、その作用か飲み口からは鈍重さをあまり感じさせず、このワインが備えているアルコール度数(14.5%)以上に軽妙で柔らかい飲み心地があります。オリエンタルなスパイスのニュアンスやフレシュなベリーの風味が感じられ、大人っぽさを感じる繊細な味わいとなっています。

ちなみに、抜栓後もバランスを崩すこと無く、むしろ徐々に風味が開いていきます。一本ビシッと芯が通ったスタイルのワインで、トマ ルアネの実直な人柄をこの辺りからも感じられます。

ぜひお試し下さい!

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『2018年1月31日現在の在庫状況』 *記載のあるワインは在庫あり

● VDF ボンバディロン 2015

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