畑でも醸造所でもゆっくり育ったというダニエル サージュの2014年!どこか儚くどこかナイーブで…
造り手本人にもそういう雰囲気が垣間見れますが、取り巻く状況が色々とナイーブなワイン・造り手の代表的存在なのがダニエル サージュ。
自身の畑は猫の額ほどで、その上、植樹して間もないブドウが多く、基本的に買いブドウでワインを手がけるスタイルですが、彼の卓越した個性は、買いブドウであっても手がけたワインが、ダニエル サージュのシグネチャーモデルのように唯一無二の個性が刻まれること。
彼が何を感じ、どんな声を聞いて、その署名を刻んでいるかは不明ですが、ワインの魅力においてもっとも需要なオリジナリティをしっかりと表現できていることが、カルト的な人気を誇る一端となっているのだと想像できる。
2014年、畑でも醸造所でもワインがゆっくりと育ったヴィンテージ。入荷数が少なすぎて売りあぐねている間に、その成長はゆっくりと続いていたようで、今どのキュヴェも良い表情を見せてくれています。
いくつかこのヴィンテージから新登場するキュヴェもあり、キュヴェ数は多く、やや難解なダニエル サージュのワインですが、それぞれの卓越した個性をぜひ感じ取って頂けると幸いです。
● アン パロタン NV14
● ニクタロピ NV14
● ルー リーブル No.18 NV14
● アブルヴェ セ シヨン NV14
– 以下新キュヴェ –
● アダム コントル ル ビーフステーク NV14
○ ラ ヴォワ デュ ペリスコープ NV14
● イポテック アボリ NV14
ダニエル サージュのエチケットの多くはジャン レンヌという画家の作品から選ばれていますが、ガメイ100%で造られるアン パロタンは、1948年の同名の作品より。砂質土壌の畑に植わるガメイをほぼ直接圧搾(マセラシオンはごく短い時間のみ)して仕上げられたワインです。色調は淡く、ジュラのプルサールやトゥルソーなどを思わせる雰囲気があり、柔らかな果実味と酸味がバランスした退廃的で可憐な表情を見せてくれます。余韻にはガメイらしい芯の強さも見せつつ、混濁した液体をよそに感じられる清らかさが印象的。
同じくガメイ100%で造られるニクタロピは、ジャン レンヌによる1967年の同名の作品より。粘土質土壌の畑に植わるガメイをほぼ直接圧搾(マセラシオンはごく短い時間のみ)して仕上げられたワインです。色調は淡く、オレンジがかっています。梅ジュースのような甘酸っぱい風味が印象的で、淡くも深い果実味と若干の揮発酸、余韻は広く長く展開していき、重層的な複雑味を感じさせてくれます。アンニュイでナイーブなダニエルらしい世界観。色々と引き出せそうです。
同じくガメイ100%で造られるルー リーブル No.18は、ジャン レンヌによる1970年の同名の作品より。余談ですが、ジャン レンヌのルー リーブルにはいくつか作品ナンバーが付与されたバリエーションがあり、このワインは、作品番号18番に紐付けられています。砂質土壌の畑に植わるガメイをマセラシオン カルボニックで仕込み、軽く破砕した後にトータルで5週間ほどマセラシオンして造られるワイン。色調もやや濃い目で、果実味や構成もしっかりとしており、鉄っぽさを感じるミネラル感が特徴。抜栓直後はやや還元香が感じられますが、空気に触れさせることで素直に消えていき、時間をかけてワインに向き合いながらその本質を引き出していく楽しみがあるワインです。
同じくガメイ100%で造られるアブルヴェ セ シヨンは、ジャン レンヌによる1962年の同名の作品より。粘土質土壌の畑に植わるガメイをマセラシオン カルボニックで仕込み、軽く破砕した後にトータルで5週間ほどマセラシオンして造られるワイン。やや明るい色調で、しっかりとした構成と芯のある果実味、鮮やかな酸味があり、余韻にはオリエンタルな風味が感じられ、妖艶で退廃的な雰囲気を備えたワインとなっています。
アダム コントル ル ビーフステークは、ジャン レンヌによる1973年の同名の作品より。品種を尋ねると事情があるらしく、微妙にはっきりしない答えが返ってきていたのですが、基本的にはピノ ノワールから造られるワイン。マセラシオン カルボニックで仕込み、軽く破砕した後にトータルで5週間ほどマセラシオンして造られ、やや濃い目の色調を備え、直情的で熱量のある芳香と鮮やかな果実味、輪郭の明瞭な骨格とエネルギー溢れるワインに仕上がっています。余韻にヤン ドゥリューのワインにも通じるような鉄っぽいニュアンスが感じられ、享楽的なニュアンスの中にも切れ味鋭いナイフのようなシャープさを秘めているのが特徴。
ヴィオニエ100%で造られるラ ヴォワ デュ ペリスコープは、ジャン レンヌによる1978年の同名の作品より。南北アルデッシュのヴィオニエをそれぞれマセラシオンと直接圧搾で仕込み、ブレンドして造られるワイン。比較的高い揮発酸のレベルはありつつもトロピカルな果実のフレーバーと塩エールビールのような独特の旨味感が相まって絶妙なバランスのワインになっています。どことなく近年のブリュノ シュレールのワインを彷彿とさせる雰囲気があり、それでいて暖かみのある果実味が感じられます。
シラー100%で造られるイポテック アボリは、ジャン レンヌによる1970年の同名の作品より。グランジ バラを造るシラーとは別のエリアの買いブドウを用いており、シリアスさの強いグランジ バラと比較すると明るくぬけたシラーの魅力が溢れるワイン。グラスに注いだ直後からむんむんとスミレやベリーの濃密な芳香が感じられ、ほどよいタンニンとみずみずしくもスパイシーな果実味が特徴。非常に無邪気な快活なワインですが、どこかミステリアスな秘めた雰囲気も内包しており、二面性を感じるワインでもあります。
なかなかお手にとる機会は無いかもしれませんが、もし幸運にも見かけられた場合には、ぜひお試し頂きたいと思います。
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『2018年8月31日現在の在庫状況』 *記載のあるワインは在庫あり
● アン パロタン NV14 【輸入元完売】
● ニクタロピ NV14 【輸入元完売】
● ルー リーブル No.18 NV14 【輸入元完売】
● アブルヴェ セ シヨン NV14 【輸入元完売】
● アダム コントル ル ビーフステーク NV14 【輸入元完売】
○ ラ ヴォワ デュ ペリスコープ NV14 【輸入元完売】
● イポテック アボリ NV14 【輸入元完売】
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