マルク ペノ最大の試練!収穫を失った2016年に光る醸造の妙!グロ プラン改めGPリリースです!
2007年から2008年にかけて、財務上の理由から経営破綻に見舞われたマルク ペノ。ファンの多い彼のワインを再び日本にお届けすべく、ペノ氏が担っていたドメーヌ ド ラ セネシャリエールの経営を当社が引き継いでから9年が経過しました。
以降もマルク ペノ氏に引き続き栽培・醸造責任者として腕をふるってもらっているのですが、実際にワイン造りに携わるようになって、この仕事が本当に高い志と忍耐を要する職であると痛感しております。
というのも、近年の気候の極端化や異常気象の頻発の影響から、ビオロジックでの栽培下において、まともな収穫量が得られる年が非常に限られており、率直に言って財務的な苦難続きとなっています。
もともと収量を制限することで高品質のワインを造るというのが理想とされ、順調な年であっても最大収穫量が限られているなかで、霜や雹(ひょう)、病害の深刻な被害などに見舞われると非常に苦しい状況となります。
そんな苦難続きのマルク ペノと当社にやっと訪れた質・量ともに満足するヴィンテージである2015年。昨年のリリース以降、まとまった量の在庫を継続して販売しており、皆様からご好評を頂いております。
しかし、続く2016年がまさに悲劇。
2016年は、これでもかと天候に翻弄され、深刻な病害に悩まされ収穫量のほとんど全てを失ってしまいました。
事態の深刻さを鑑みたフランスの行政当局は、ネゴシアンの許可を得ていない生産者に関しても臨時的に買いブドウでのワイン造りを許可、また当社でも、この種のリスクをヘッジするためにネゴシアンとしての機能を持たせる準備・申請を行っていたこともあり、2016年ヴィンテージは、近隣のブドウ栽培農家より購入したブドウでワインを生産することとなりました。
運良く、信頼できる農家から質の良いフォル ブランシュとムロン ド ブルゴーニュを購入することができましたが、地域的にも大きく生産量を減らしたということもあって、残念ながら完全にビオロジックで栽培されたブドウではありませんでした。
しかしながら、ワインなくしてはワインの造り手としては生きていけません。それらのブドウから魂を込めてワインを醸したマルク ペノ。その結果は、飲んでいた皆様に感じていただきたいと思いますが、一言だけつけ加えるなら「きっと驚いて頂ける」ということ。
もともと「栽培よりも醸造が得意」と話すマルクが、その真骨頂を発揮しました。
元来、風味の控えめなフォル ブランシュやムロン ド ブルゴーニュといった品種を、ゆっくりと圧搾することで、果皮などから香りや味わいを抽出し、爽快でありながらまろやかな果実味と深みを持つワインに仕上げているマルク ペノ。その微妙なさじ加減が、彼の手がけるワインをこの地域の常識を超えた唯一無二のものにしています。
今回リリースは、以前グロ プランと呼称していたキュヴェ GP(ジェ ペー)
グロ プラン=フォル ブランシュなのですが、現在は品種の呼称としてグロ プランを名乗るのは規制され、フォル ブランシュに統一しているとのことで、当社でも本ヴィンテージより品種名:フォル ブランシュ、ワイン名:GP(ジェ ペー)とご案内させて頂きたいと思います。
さて、気になる2016年のGPの味わいですが、これが驚くほどマルク ペノらしい味わいなのです!もちろん自社畑のテンションはありませんが、果たして、このワインを先入観なく飲んで、それを感知できるのかは自信がないほど、いつもGPらいしい味わいです。
例年よりも凝縮度は控えめ目になっていますが、ただ酸っぱいだけのフォル ブランシュのワインが多い中で、爽快ながらも果実味があり、まろやかな口当たりがあり、奥行きすら感じさせるのはマルク ペノならではです。
「フォル ブランシュやムロン ド ブルゴーニュの醸造に関しては、ほぼ開眼したんだよね。」と話すマルク。
質のよいブドウをを買えたとは言え、さすがな仕上がりと言えます。
その反面、当たり前のことながらも、質の良いブドウの購入にも限界があり、結果として生産量・入荷量ともに少なめとなっています。
ということで、お早めにお試し頂けますと幸いです!
それにしても…この自社でのワイナリー運営を通じて、自然相手に向き合う他の造り手たちの高い志と忍耐にあらためて敬服させられました。個人の利益だけを考えている人では決してできない、本当にタフな仕事だと思います。
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『2017年10月27日現在の在庫状況』 *記載のあるワインは在庫あり
○ VDF GP(ジェ ペー) NV16 *旧呼称 グロ プラン
○ VDF ラ デジレ NV15
○ VDF エム ド ベー 2011