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Rivaton

Rivaton / リヴァトン

「この地で素晴らしいワインが造れないなら、自分に才能は無い」

南フランス ルーション地方、フレデリック リヴァトンがこの乾いた大地にやって来たのは2004年。かつては酒精強化したワイン、リヴザルトの産地として栄えたこの地域も現在ではすっかり寂れてしまい、地元の協同組合などもバタバタと倒産しています。その一方で、高い樹齢を誇るブドウ畑の多くが売りに出され、この地での過酷な仕事を覚悟した人だけが、宝石のような畑を手に入れ、ワイン造りに挑戦することができます。フレデリック リヴァトンもその一人。暑く乾燥した大地からみずみずしくエネルギーに満ち溢れるワインを生み出しています。

もともとフランス東部、スイス国境に接するフランシュ=コンテ地方(ワイン産地で言えばジュラ地区を含むエリア)にルーツを持つフレデリック リヴァトン。ワイン造りとは関係の無い家庭に生まれましたが、家族のワイン好きが高じて興味を持ち、ワイン造りを志すようになります。20歳になった時点ではすでにワイン生産者となる決意を固めていたと言います。そして、自身の理想のワイン造りを求めて2004年にルーション地方の街ラトゥール ド フランスにたどり着きます。それ以前は、ブルゴーニュ地方マコン地区のドメーヌ ヴァレットやボジョレー地方のジャン ファワヤール、シャトー ヌフ デュ パプのドメーヌ ド ラ ヴィエイユ ジュリアン、コート デュ ローヌ地方のロッシュ ビュイシェールなどで10年間働きワイン造りを学びました。自然派ワインに出会ったのもこの時。テロワールを純粋に表現し、素晴らしいワインを生み出すにはこの方法しかないと確信を得たと言います。

そんな彼が最終的に生まれ育った土地を離れ、ルーションという土地を選んだ理由はやはり、樹齢100年近いブドウが植わる畑があったからだと言います。この地に馴染みがあったわけではなかった彼が、過酷な気候の大地にしっかりと根付く高い樹齢のブドウ樹たちを目にした時、「この場所で、このブドウで、素晴らしいワインが造れないとしたら自分に才能が無いと言うことだ」と強い信念と決意を持って自身のワイン造りをスタートさせました。ただ理想的なブドウ畑と言っても、この地での畑仕事は過酷を極めます。暑く乾燥した気候の中での畑仕事、どんなに豊作となっても収量は限定的で手間ばかりかかるブドウ栽培、同じくルーション地方の造り手であるカゾ デ マイヨールのアラン カステックスは、この地でのワイン造りに挑戦しようとするとある生産者にこう語りました。

「この地域でのワイン造り、畑仕事は途方もなく辛いものになる。これは避けられない事だから、せめて眺めの良い畑で働くことを選んだほうが良い。」

まさに、フレデリック リヴァトンが栽培を手がける畑からもフランスとスペインの国境を形作っている雄大なピレネー山脈を望むことができます。その自然の発する膨大なエネルギーを一身に受けて、過酷な畑仕事を物ともせずに1本1本に想いを込めていきます。

フレデリック リヴァトンは現在、10.5haほどのブドウ畑に加えて3-4haほどの土地で養蜂や羊の飼育も行っています。栽培に関しては2010年よりビオディナミを取り入れ、除草剤や化学肥料などを用いずに活力溢れるブドウを収穫するために工夫を重ねています。醸造所での仕事はシンプルで、街のガレージをいくつか借り、ポンプを使用せずに重力を利用するなどワインに負荷を与えない方法で醸造を行っています。酸化防止剤となる亜硫酸は発酵前に少量添加し、熟成中や瓶詰め時には添加しません。生産量のほとんどは赤ワインで、その他に少量の白、ロゼ、ロゼペティアンや甘口ワインを手がけています。

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Panoramix / パノラミック

Panoramix

産地:フランス ルーション地方
品種:シラー

所有している畑が赤ワイン用の品種が主体のため、アペリティフに最適なワインをとシラーを主に用いて造られたロゼペティアン(微発泡ワイン)。二次発酵の為の酵母添加をせず、ブドウ由来の糖分と酵母のみで発酵・発泡させるペティアン ナチュレルのスタイルのため素朴で旨み溢れるスパークリングワインとなります。潔さすら感じるしっかりとドライな口当たりに、力強いハーブや野の花、ワイルドベリーのあざやかなフレーバーがあり、アペリティフにとどまらず食事と一緒にグイグイと飲みたいスタイルです。もちろん泡立ちやほのかに感じる甘みなどは、瓶内での酵母の活動が一様でないためにヴィンテージによって異なる表情を見せてくれます。

Bejaune / ベジョーヌ

産地:フランス ルーション地方
品種:マカブー、グルナッシュ ブラン

マカブーとグルナッシュ ブランから造られる爽快な風味を備えた白ワイン。ルーションの白と言えば、質実剛健で力強い風味のワインを想像しますが、リヴァトンのそれは、柑橘やレモンを思わせるフレッシュなフレーバーと品の良い酸があり、シャープな飲み口が印象的なワイン。アペリティフにもスイスイ楽しめるようなスマートなスタイルのワインです。

Blanc Bec / ブラン ベック

産地:フランス ルーション地方
品種:マカブー50%、カリニャン ブラン30%、グルナッシュ グリ20%

樹齢60年から100年という古木のマカブー、カリニャン ブラン、グルナッシュ グリで造られるワイン。シスト(スレート状の片岩)土壌の区画から生み出されるこのワインは、香りにはスモーキーなニュアンスがありつつも、ひとたび口に含むと膨大なミネラル感が広がり、(植物的には)過酷な環境にしっかり根ざしたブドウの凝縮感を感じます。

Poil dans la Main / ポワル ダン ラ マン

産地:フランス ルーション地方
品種:グルナッシュ、カリニャン、シラー(2014) / カリニャン(2015) / グルナッシュ70%、カリニャン30%(2016)

キュヴェの名前は直訳すると「手のひらの毛」ですが、転じて「怠け者」と言った意味があるとのこと。グルナッシュやシラー、カリニャンなどのブドウを用いてダイレクトプレスで造られたロゼワイン。まろやかな口当たりとチャーミングな果実のフレーバーが印象的な素直でナチュラルな飲み心地があり、濁りも見られますが、時間の経過とともに素朴で優しい旨みが広がります。

Tombe du Ciel / トンべ デュ シエル

Tombe du Ciel

産地:フランス ルーション地方
品種:カリニャン、シラー

15年から20年の比較的若い樹齢のシラー及びカリニャンで造られるキュヴェ。トンベ デュ シエルは「空から落ちた」という意味で、「大した事をしなくても美味しいワインができるよ」という棚からぼた餅といったニュアンスの意味が込められています。このワインに関してはマセラシオン カルボニックで仕込まれ、いきいきとした果実の風味が感じられワインに仕上がっています。収量も低く30hl/haほど。

Vieilles Vignes / ヴィエイユ ヴィーニュ

Vieilles Vignes

産地:フランス ルーション地方
品種:カリニャン、シラー、グルナッシュ

ワイン名のヴィエイユ ヴィーニュ(古木)の名前の通り、樹齢が60年から100年というブドウ樹から収穫されたカリニャン、シラー、グルナッシュで造られるキュヴェ。除梗した後、コンクリートタンクにて発酵させ、木樽に移し2年近くの熟成を経て瓶詰めされます。凝縮感のある果実味と濃密な香りが印象的ですが、一方でひっかかりの無いスムーズな飲み心地があり、しなやかさと余韻の爽快さを感じるワイン。収量10-15hl/haと非常に低収量。

Vieilles Bouilles / ヴィエイユ ブイユ

Vieilles Bouilles

産地:フランス ルーション地方
品種:カリニャン、シラー、グルナッシュ

2014年は天候の影響から収穫量に恵まれず、通常は造り分けられるヴィエイユ ヴィーニュ(複数区画のブレンド・樹齢60-100年)とグリブイユ(単一区画・樹齢80−110年)をブレンドして造られたキュヴェ。

全ての高樹齢の区画を混ぜることで誕生したヴィエイユ ブイユは、ヴィエイユ ヴィーニュが備えていた重層的な味わいにさらにグリブイユの複雑さが加わるということで、より膨らみと広がりのある味わいのバランスとなっています。紫系の果実の凝縮した旨味とスモーキーなフレーバーに加えて、色々な区画の個性が混じりあった結果のしなやかな果実味も印象的です。余韻にはほのかにコンフィのような甘さを感じ、柔らかい口当たりと相まってストレスなく飲み進めることができます。

Gribouille / グリブイユ

Gribouille

産地:フランス ルーション地方
品種:カリニャン、グルナッシュ、シラー

グリブイユはフランスのアニメーションのキャラクタ。キュヴェヴィエイユ ヴィーニュと同じく樹齢が80年から110年の古木。除梗した後、コンクリートタンクにて発酵させ、さらに20hlの大樽に移して1年以上熟成させます。果実味の凝縮感や複雑味、スパイシーさがありながら決して重く感じさせ過ぎないバランスの味わいになっており、また時間の経過とともに全体の味わいがまとまって柔らかみのある表情となっていきます。収量が最大でも15hl/haと非常に低収量。