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Petitjean Pienne

Petitjean Pienne / プチジャン ピエンヌ

「あまりにも純粋で、どこまでも無垢」

高品質なシャンパーニュ、特にシャルドネによる最上のブラン ド ブランを産するクラマン村。この地に拠を構えるプチジャン ピエンヌは、所有する多くの畑がグランクリュに格付けされている伝統的家族経営のメゾンです。ビジネスライクな生産者が多いこのシャンパーニュにあって、当主ドゥニ ピエンヌは、少年のように純粋で無垢な心を持っています。今まで日本はおろかフランス国外にもワインを輸出したことが無いというほど国内で愛され、その結果、商売っ気よりも無邪気さ、純粋さがそのままワインに詰められています。「擦れていない」という表現が一番しっくりくるのですが、それもそのはず、地元で愛されるためには、華美なブランドイメージを誇張するのではなく、誠実さや真摯さから生み出される本当の品質を求めることが重要だからです。

ブラン ドブランを得意とする彼のシャンパーニュはどれも、シャンパーニュに求められる繊細な泡立ちやふくよかな果実味などを余すところ無く備え、また私たち日本人の味覚に訴えかける清涼感と深遠な複雑味を持った素晴らしいワインです。いわゆる自然派といったタイプの生産者ではありませんが、伝統的で、下手な化粧気のない素直なワインを造っています。

– メゾン概略 –

プチジャン ピエンヌは、3世代にわたってブドウ畑とワインに従事している「レコルタンマニュピュラン」の生産者です。3.8ヘクタールの畑を栽培し、うちクラマン、アヴィーズ、シュイイに分かれた2.4ヘクタールがグランクリュに等級付けされています。仕事に対する当主ドゥニ氏の情熱は語りつくせないほどで、日々の時間ほとんどをワイン造りに費やしています。訪問した際も、栽培の方法や畑の管理について語りながら、気になる芽や房をどんどんと摘んでいき、ひと時たりとも手を休めません。「あっちの畑の生産者は少し怠け者なんだ、もう少し仕事をすれば良いのに」などとつぶやきながら、マイペースに話し続け、どんどんと畑の奥へと進んでいきます。生産効率や価格のことばかり考えているシャンパーニュの生産者が多い中で、ここまで「熱い」人物に出会えたことは非常に幸運だと言えます。トラクターの選択、選定方法、畑の管理、醸造設備の選択など、全ての点にこだわりを発揮し、高品質なシャンパーニュを生み出していながらも、比較的リーズナブルな価格で、彼のワインを飲めることに感謝したくなるほどです。

「うちは本当にちっぽけなメゾンだからね、モエシャンドンのようにはいかないよ。」

立派すぎるほど立派な地下セラーで、はにかみながら語るドゥニ氏の手は、ゴツゴツとしたまさに仕事人のものでした。

– 畑仕事 –

11月から3月まではブドウ畑の選定に従事します。この広さでこれだけの時間をかけるというのは、どれほど丁寧に作業に当たっているかを容易に想像させてくれます。この作業は株一本ごとにもっともよい枝を選ぶことによって、果実の結実の抑制をはかります。枝は切り落とされその後細かく砕かれるか、燃やされます。それと同時期に必要な畑には有機肥料を施します。

4月ごろには芽かきの作業をおこないます。作業によりブドウの木から発芽した不要な芽を手で取り除きます。そうすることによって収穫量を制限し、豊かな果実味を持ったブドウが得られるのです。また、春から夏にかけて悪い雑草を除去し、土に空気を入れるため、定期的に畝の間を耕します。8月の間は新しい枝の伸張を押さえるためと果実に樹液を凝縮させるためロニャージュ(摘心)をおこないます。 そして 1年を通し大地に敬意を払いつつブドウ栽培を行い、やがてグランフィナーレとなる収穫を迎えます。畑の樹齢、日当たり、表土と地層の異なる区画ごとに収穫日を選び手摘みにて9月ごろに収穫が行われます。それぞれの畑に固有の特徴があり、シャンパーニュのバリエーションというのは、その個々の畑にワインの個性が由来します。しかしながら、一方では複数年をブレンドするシャンパーニュ独特の造りにより安定した品質が約束されるのです。

– 醸造 –

ブドウが圧搾されると絞り汁はアルコール発酵を行うためタンクから樽の中へ入れられ、糖分をアルコールに変化させます。この過程はブドウを自然に存在する酵母とかつ選択酵母によって行われます。アルコール発酵は10日から15日間ほど続き、次にマロラクティック発酵を行います。この発酵はアルコール発酵直後2~3週間続き、ワインは減酸され柔らかな味わいと変化します。しかしドゥニ氏は、マロラクティック発酵は必ずしも必要ではないと考えており、毎年異なるジュースの酸度に応じて、その必要性を判断します。彼のワイン造りにおいても完全なるマニュアル、レシピといったものは存在せず、素材となるブドウを見てその年の最良の造り方を模索していきます。

発酵終了後、ワインは何度か澱引きされ、より一層清澄なワインとなっていきます。そして数ヵ月した後にアッサンブラージュを行います。アッサンブラージュは、年ごとに各キュベのスタイルが変わらないように区画と年の違うワインを混ぜ合わせる作業で、彼らによる試飲の後に実行されます。その後にワインは瓶詰めされ、瓶内で第二次アルコール発酵が行われるよう、酵母と少しの糖分が加えられ、ワインは豊かな泡を含み、気品あるシャンパーニュへと生まれ変わっていきます。出荷前にデゴルジュマンを行い、自らのワインに糖分を加えたリキュールで適宜ドサージュを行います。※多くのシャンパーニュの生産者は、アルザスなど他地方の安価な白ワインを買い入れ、それに糖分を加えてリキュールにすることが多いと言います。

液体窒素を貯蔵したデゴルジュマンの装置の前を通りがかった際、

「うちの従業員と娘はこれを使うんだよね。私は、手作業でするけど。」

と、にわかに信じられない発言。実際に目の前で実演してもらうと、絶妙なタイミングと熟練の技で、本当に手作業でデゴルジュマンをしてしまいました。

「手でやったほうが、ワインの減りが少ないんだよね。ほら!」

と、笑顔で手渡されたシャンパーニュ。何も足されていない純粋無垢なこのシャンパーニュが、なぜだか柔らかくて甘い果実の風味に満ちていたのは、ドゥニ氏にとって日々繰り返される仕事の集大成であったからと言えるかも知れません。

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Champagnes Blanc de Blancs Extra Brut / シャンパーニュ ブラン ド ブラン エクストラ ブリュット

産地:フランス シャンパーニュ地方
品種:シャルドネ 100%

ブリュットと同様に幾つかの異なる年のワイン(原酒)をアッサンブラージュ(ブレンド)して造られ、3年もの熟成期間を経てリリースされます。このシャンパーニュは甘みを調整するドサージュを一切せずに果実本来の旨みのみで仕上げられています。通常であれば、よりドライな味わいに仕上がることが多いのですが、なぜかドサージュをしたワインよりもいきいきとした果実味が感じられ、ナチュラルな甘さをより一層感じさせる風味があります。

Champagnes Blanc de Blancs Millegime / シャンパーニュ ブラン ド ブラン ミレジム

産地:フランス シャンパーニュ地方
品種:シャルドネ 100%

優れたヴィンテージにのみ造られる特別なワインで、このメゾンのフラグシップと呼ぶべき品質を誇ります。このキュベは、白い花の香りや柑橘系の香りを放ち、焼いたパンの香ばしいニュアンスも感じられます。口当たりはフレッシュかつクリーミーで果実味に富んでいます。著名なメゾンのプレステージシャンパーニュに負けずとも劣らない品質を誇りながらも非常にコストパフォーマンスに優れたクオリティワインとして圧倒的な存在感を誇ります。