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Chateau l’Hospital / シャトー ロスピタル

夫婦が生み出す古くて新しいボルドー

ボルドーのサン トロジャン(コート ド ブールの丘の上にあるジロンド川の河口を見渡せる町)に本拠地を構え作付、現在面積は5.5haある中、徐々に減らしていく予定のシャトー ロスピタル。リューディの名前から採られたこの名を冠するこのドメーヌでは、ビオロジックで栽培をしています。
このオーナーであるクリスティーヌとブリュノ夫妻は、経済大学を80年代に卒業した後、ブリュノは様々な企業の人材管理部で勤め、クリスティーヌは考古学者として働いていました。2人は90年代の前半に南西フランスへと移住し、娘が2人生まれましたが、昔からワイン造りを夢見ていたブリュノは、再び学生となり栽培免許を得るまで猛勉強し機会を伺い、1997年には引退するブドウ栽培者の畑を買い取るチャンスが訪れます。この小さな畑は、既に60年代から化学物質は使われておらず、しかも大きな醸造所も活用できるという、2度とないチャンスでした。2人はその後16年にも渡りドメーヌを改善し、偉大なポテンシャルを持つ畑のクオリティを十分に引き出す事に成功しました。

ワイン造りのモットーは、自然と環境をリスペクトし、殺虫剤も除草剤も使用しない栽培。収穫量を極端に抑え、手摘み収穫に拘ること。更には、ブドウのクオリティが高いのは当然として、よりブドウに優しい醸造方法を選択し、一般的なボルドーのスタイルとは少し違った、フルーティーなワインを生み出す事で、古き良き、昔懐かしい『コート ド ブール』のワインを想い出すかのような滑らかでリッチなワインを目指しています。

『シャトー・ロスピタル』の醸造施設は、元々15世紀に建てられたハンセン病療養所でした。18世紀に再建されましたが、元々の作りを損なわず丁寧な再建を行った為、歴史的価値も残っている偉大な建物となっています。
なお、施設の一部はとてもチャーミングなシャンブル ドットとして、活用をされています。

 

〇 IGP BBH 2019 / IGP べー べー アッシュ 2019


産地:フランス ボルドー地方
品種:セミヨン 50%、コロンバール 50%

キュヴェ名のBBHはBordeaux Blanc Hospitalの頭文字を取ったもので、歌手のジャック・イジュラン氏 (Jacques Higelin)、そして1975年に彼が出したアルバム『BBH 75』へのオマージュです。
粘土や砂を含んだ、第四期時代のシルト土壌と海洋酸素同位体ステージ時代のシルト土壌の畑で、コート ド ブールの標高100mの丘の上に位置しており、樽で6ヶ月間の熟成を行った後、樹齢10年と樹齢80年のブドウをアッサンブラージュして造られています。

クラシックなボルドーに比べ、よりフレッシュで果実味のあるジューシーなワインを目指して造られたキュヴェで、白い花の香りや花梨のジャム、はちみつの非常に凝縮した香りに、スパイス感が加わり、パワフルな口当たりですが、爽やかさもあり、嫌らしさのない真っすぐで綺麗な余韻。
滑らかな質感と、弾ける酸味が特徴的で、しっかりとしたボディとフレッシュ感タップリの果実味が魅力のワインです。

 

● IGP BNH 2018 / IGP ベー エヌ アッシュ 2018


産地:フランス ボルドー地方
品種:メルロー 60%、マルベック 40%

樹齢平均30年で、タンクで6ヶ月間の熟成をした後、瓶詰め。
濃厚なダーク チェリーの外観で、その色合いからパワフルさが感じられますが、緻密でデリケートなタンニンが口当たりを滑らかにしています。凝縮してちょっと熟成したメルローのニュアンスが強く、コクがありつつ柔らかなアフターが全体をサラッと心地よくまとめています。
口一杯に広がる赤系果実のような果実由来の甘味と酸味が非常に特徴的で、軽く冷やしてサーヴィスすれば (16℃~18℃) 様々な料理と合わせるが出来ます。

 

● IGP Back in HSSR 2018 / IGP バック イン エイチ エス エス アール 2018


産地:フランス ボルドー地方
品種:メルロー 80%、マルベック 10%、カベルネフラン 10%

キュヴェ名のHSSRとは、Hospital Sans Sulfite Rajoutéの略で、ビートルズの名曲、Back in USSR からイメージされました。
コート ド ブール丘の上94mに位置し、粘土や砂を含んだ、複数の時代のシルトが混ざり合った複雑な地層を持つ区画の樹齢平均50年より。最初の2日間は冷却しながらマセラシオン アントラペリキュレールを行い、その後3週間のマセラシオンを行います。(マセラシオン アントラペリキュレールとは、通常のマセラシオンが果皮を漬け込むのに対し、ここでは果皮だけでなく、全ての果肉まで軽く破砕してからマセラシオンさせる事を意味しています。)

500Lの古樽に瓶詰めの3週間前にアッサンブラージュし、300Lの3年樽で6ヶ月間の熟成。クラシックなボルドーに比べ、よりフレッシュで果実味のあるジューシーなワイン造りを目指し、2016年よりサンスフルで造り始めたキュヴェ。

ブラックベリーやカシスの様な黒系果実のジューシーな肉感がありつつ、煮詰まっていないフレッシュな果実の香りに、非常にシルキーなタンニンは、引っ掛かる部分がまるでなく、スーッと通る喉越し。スパイスとジューシーな果実味が口一杯に広がり、しっかりした旨味も感じられます。最後に塩っけすら感じるミネラルが全体を引き締め、非常に満足度の高いボルドーワインとなっています。
BNHの親しみやすさに比べ、ワイン全体がしっかりした構成になっている為、ジューシーでありながら、重心の低いドッシリとしたスタイルに仕上がっています。